Curious 2003年1月号


ご挨拶
(ア・メイズ代表 赤生一博)

謹んで新年のお慶びを申し上げます。 皆様にとって、本年もすばらしい年でありますよう、お祈り申し上げます。
皆様は、どのような初夢をごらんになりましたか。年の初めの、ア・メイズが見た夢をご紹介しましょう。
そこは、古い建物でした。玄関の扉を開けると、セピア色の大きなカタログが立てかけてあります。1926年発行と書かれた表紙をすり抜けると、火花が1メートルも飛ぶ誘導コイルや、アーク灯による光通信装置などその時代の最先端の機器が、それぞれパネルに描かれて並んでいます。
パネルに近づくと、セピア色のイラストがカラーになり、実験装置に変身して動き出します。
現在は、これらの電子機器は、IC化されブラックボックスですが、ここでは中身の動作がすべて見えます。
見えるだけでなく、研究者になって巨大な誘導コイルを動かして、電波を出す実験をしたり、光で音声が送れるなら、どんなビジネスができるか考えてみることもできます。
装置の前に居ると、ひげを生やした発明家が来て、自慢げに、どうやって作ったか説明します。ワークショップの始まりです。
80年近く前は、アーク灯の強弱で信号を送っていたのだ。それなら、もっと簡単に音を送れる方法を知っているぞ。ちょっとずるいけど、二十一世紀の部品を使って、ひげの発明家を驚かしてやろう。
ア・メイズは、こんなセピア色のカタログが持つ時間と空間を、子供たちに提供したいのです。



▲光通信装置(左二枚)と誘導コイル(右)




活動その1「望遠鏡を作ろう」
(新宿三井ビル1階 未来科学技術情報館)

秋空の星を観察できるように、今回は望遠鏡を作ってみました。もの作りを始める前に、凸レンズの性質として、虫めがねのようにものを拡大してみることと光を集めることを実験で確かめてもらいました。望遠鏡を組み立てると、早速観察です。対物レンズで集めた光が遠くの景色の像を逆さに作ります。それをトレーシングペーパに結像させると写った像にまず子どもたちは歓声を上げます。次に、接眼レンズでその像を虫めがねのように拡大して見れば、それが望遠鏡の原理です。今回は、凸レンズを二枚使ったケプラー式の他に、オペラグラスなどに使われている接眼レンズに凹レンズを使ったガリレオ式の二通りの望遠鏡を作りました。

▲完成した望遠鏡




活動その2「いろいろな結晶を作ろう」
(青森県六ヶ所村ショッピングセンターREEV内ウェスタ 実験教室エネランド)

▲尿素の結晶

雪が降る季節になったので、結晶の不思議を体験してもらいました。尿素の結晶づくりに始まり、塩化アンモニウムを使った「舞い落ちる雪」(篠山市チルドレンズミュージアムに納品した展示装置のワークショップ版です)および気化熱を利用した樹氷の三種類の結晶をみんなで作りました。




活動その3 「かがく・夢・あそび教室 」
(虎ノ門パストラル 市村アイデア賞表彰式)

11月8日に開催された新技術開発財団主催による市村アイデア賞表彰式に「光と動きを楽しもう」というテーマで、実験ショーを行いました。光の三原色、望遠鏡、立体映像、アニメーションと盛りだくさん。子どもも大人も科学の楽しさ・不思議さに浸っていただけたと思います。

▲蛍光灯と白色電球の違い




どきどきラジオ体験記

▲スタジオの様子
昨年12月1日午前9時〜9時55分、TBSラジオ「全国こども電話相談室」に出演しました。こどもたちからかかってくる質問の電話に、スタジオから生で答えるというとてもスリリングな番組です。ちゃんと答えられるかどうか心配でドキドキしながら、こわばった顔つきで本番スタート。もしかしたら、まわりにいる方たちのほうが不安だったかもしれません。
私が答えた質問は2つ。家にあるものでできる楽しい実験は何か、ということと飛行機雲はなぜできるのかということ。「実験」と聞いてほっとしたものの、やり方を説明しようとしてはっとしました。そうだった、これはラジオだ。
簡単にできると思って空気砲(穴をあけたダンボール箱をたたいて、空気の弾(渦輪)を飛び出させる実験道具)を取り上げた自分のあさはかさに気付きました。「どこに」「どれくらいの大きさで」「どうやって」穴をあけるのかをどうやって説明したらいいのだろう?焦りました。目の前にこどもがいて、実験材料が置かれているときと同じ思考回路で考えていたのでした。音による言葉のみで伝える難しさを改めて実感しました。
ドキドキの55分間が終わった瞬間、“にぱっ”と笑顔になったことはいうまでもありません。
実験教室や実験ショーなどでのこどもたちとのやりとりも楽しいので、こんなふうに電話でのつながりも楽しいものだなと思いました。・・・2時間くらいたってからですけど。




赤生 一博のサイエンスコラム 〜フロッピーディスク録音機〜
江戸東京博物館で開催されていた特別展「本田宗一郎と井深大」を見てきました。品川の御殿山にあったソニー本社の白壁に、広告が投影されて話題になっていたのを懐かしく思い出しました。ラグビーの練習を終えて学校から帰るとき、日が暮れて暗くなった坂道を五反田駅から歩いていくと正面に明るく見えたものです。そのころ、テープレコーダーがやっと家庭に入ってきた頃でした。苦労して磁気テープに音声を録音する事から始まり半世紀が過ぎ、カセットテープレコーダは過去のものとなりフロッピーディスクもその役目を終わろうとしています。現在は、ハードディスクという磁気円板がデジタル信号を高速で記録再生しています。次の世代は、DVDになるのでしょうか。 昔、わくわく心を躍らせた磁気録音の楽しさを科学の目で確かめてもらおうと、フロッピーディスクに使われている磁気フィルムにカセットテープ用の磁気ヘッドで、パソコンのデジタル信号のかわりにアナログ音声信号を記録再生できる装置を試作してみました。 デジタルデータの保存が目的のフロッピーディスクにアナログ信号を録音再生できるおもしろさがあります。
▲フロッピーディスク録音機(下)と
その録音・再生ヘッド(上)





Back
Top

AMAZE